美容系品目における2020年消費者物価指数が総務省より発表された。基準年の
2015年と比べて総合指数は101.8と好転。また、カット代は前年比2.1ポイント、
パーマネント代は前年比2.0ポイント、カラーリング代は前年比1.9ポイントと、
いずれも前年よりも上回っている。
<2021年1月22日発表>
品目:指数:前年比
総合:101.8:0.0
理髪料:102.2:1.5
パーマネント代:103.6:2.0
カット代:104.0:2.1
カラーリング代:102.9:1.9
エステティック料金:103.8:1.3
*2015年=100
(参照:理美容ニュース2021年1月22日 「好調な美容系品目 2020年消費者物価指数」)
新型コロナウィルスによって自粛をせざるを得ない状況になり、日本経済に大きく
影響をおよぼしたのだが、美容分野においては上記の数値をみるかぎり「自粛の
有無に関わらず、人々の生活にとって必要なもの」であるといえるのかもしれない。
しかし、本当にそういえるのか。シチュエーションは異なるが「東日本大震災の
震災後における生活者意識の変化」に関するデータを見て欲しい。
参照:AS STDIES vol.39 2012「特集 変わる消費者研究 –新しい視座を求めて-」
東日本大震災発生後、「旅行・宿泊」「ファッション・アクセサリー」「レジャー
施設の利用」「外食・外での飲食」の分野においては自粛対象とみなされ20%以上の
影響をおよぼした。一方で「化粧品・理美容品」は10%前後でとどまっている。
今回のコロナ禍においても旅行業界やファッション、レジャー観光、飲食業界は
大打撃となり、赤字、廃業、倒産などが相次いでいる。しかし、美容業界はそれら
他の業界に比べてはまだマシなのかもしれない。
なぜ、私たちは自粛の有無に関わらず、髪を切ったり髪を染めたりするのであろう。
面白いブログ記事をみつけた。
「人はなぜ、髪を切らなくてはならないのか」
(http://blog.livedoor.jp/sofia_skynet/archives/43932312.html)
記事の中では、髪を切るのは心身の清潔を保つためということが主な理由として
語られている。私もそれには同意だ。ただ、ひとくくりに「清潔感を保つため」
といってしまうのは少々雑すぎる。人が髪をきれいにするには人それぞれの理由があり、
「清潔感を保つため」+「●●」が必ず存在する。
結局はこの「●●」が美容室を選ぶ理由である。
・ヒト (あの人に切ってほしい)
・モノ (あの空間、あの商品、あのサービス)
・カネ (高い、安い)
・ジカン(近い、早い、)
基準は人それぞれ。だが、どれかに当てはまらなければ選ばれない。
私は先ほど“他の業界に比べてはまだマシなのかもしれない”ということを述べたが、
それは“他の業界に比べて”というだけで、業界内では日々生き残るための闘いだと思う。
まずは美容師さん一人ひとりが「その美容室にいかなければならない理由」を
考え続けることが重要だろう。
私もお付き合いしているサロン様には、お力添えできるよう様々な視点から
アイディアを出していきたいと思う。
2021年02月1日