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【第19回 コラム】 「信用」と「信頼」を使い分ける

 

2回にわたり『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著/ダイアモンド社)の中からブログを書いたが

今回は同著の『幸せになる勇気』から書かせていただく。

 

ところで皆さんは、同級生や先輩後輩のことを

 

「信用」しているか。

 

あるいは、

 

「信頼」しているか。

 

似ている言葉だが、実は2つの意味は大きく異なる。

 

信用は“信じることを用いる”ので、縛りや条件が発生する。

例えば、

 

「君が来週末までに課題を終えることを信用しているよ!

(期日内に終えたら食事にでも誘ってあげよう。でも終わらなかったら、厳しく指導する必要があるな。。。)」

 

「今度、私と彼とあなたで食事会を開いてね!信用しているよ!

(開いてくれたら私も良い人紹介しよう。でも開いてくれなかったら、仲良くするのはやめよう。。。)」

 

といったように「信用」はその過程や結果次第で、その後の自分の行動や評価が変わってくる。

銀行が信用してお金を貸したり、会社が信用して社員を雇用することも同じだ。

 

一方で信頼とは“信じ頼る”。つまり縛りや条件をつけず、相手を信じきることである。

「たとえ信じるに足るだけの根拠がなかろうと、信じる。担保のことなど考えず、無条件に信じる」

と同著では書かれている。

 

この「信用」と「信頼」の言葉を理解しているだけで、友人関係や仕事関係が大きく変化することを、

実際に私も学び体験している。

 

基本的に仕事は「信用」して相手と接した方がよい。

 

なぜならば、同著でも記載のとおり、仕事関係は必ず利害を含んだ条件つきの関係であるからだ。

 

私も社内に親しい社員はいるが、必ず「信頼」はせず「信用」をしている。信用せずに信頼してしまうと、

相手を適切に評価したり適切に助言・支援・指導ができなくなってしまう。

そして、仕事自体もうまく回らなくなってしまうからだ。

 

一方で同著にもあるように、友人関係は「信頼」を重んじた方がよい。

 

先の例にもあげたが、友人関係を「信用」でつなごうとすると、どうしても損得や優劣などで

関係継続を判断することになってしまうからだ。そうなってしまったら、信用を損ねるたびに友人を

切ってしまうことになり、やがて孤立しかねない。

 

かと言って、信頼できる友人がたくさん必要かと聞かれたら、私はそうは思わない。

なぜなら、私自身、信頼できる友人はそう多くないからだ。笑

多くなくても、楽しくやっていけている。

 

話が逸れてしまったが、今回私がこのブログで何を言いたいかというと、

 

無理に仕事仲間と仲良くしようと媚を売る必要はないし、

無理にたくさんの友人と深く仲良くなろうとする必要もない。

 

ということである。

 

取引先の美容師さんから「あの人と馬が合わない、どう思います?」と聞かれたり、

学生からは「あのサロンに就職したいから、〇〇さんとSNSで深くつながりたいのですがどうしたらよいでしょう?」

と聞かれたりする。

 

確かに歩みよる努力は大切だが、そこに肩ひじを張る必要はないと思う。

特に仕事の関係は必ず利害や損得が関わるので、深い関係になると時としてリスクが伴うことがあるので注意が必要だ。

仕事の結果や評価は、決して好き嫌いや仲の良し悪しを含んではならない。

 

この記事を読んで「信用」と「信頼」を理解し、少しでも人間関係を楽観的、適切に捉えて

仲間や友人と接するようになってくれると嬉しい。

 

 

 

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