blog

【第3回 コラム】 インターンシップはサロンの未来をうらなう

 

こんにちは。

SLP by City&Guilds運営者のKです。

 

「楽天みん就 2022年卒インターンシップ人気企業ランキング」に

関する記事が、日経ビジネス(2020.09.28 No.2059 56~58頁)で掲載されておりました。

 

総合ランキングは2年連続でニトリが1位。

同社は『「企業担当者のイメージが良い」でも1位を獲得。

プログラムの内容だけでなく、学生が好感を持てる親しみやすい対応も

支持を得ている要因のようだ』とのこと。

 

また、昨年と比べてANAやJALといった航空業界は順位を落とす一方で、

ソニーや任天堂といったゲーム業界は順位が上げており、

『新型コロナに端を発したトピックに学生たちが影響を受けている印象だ』という。

 

しかしながら、IT業界のランキング上位10社は昨年とほぼ変わっておらず、

『いかに上位各社が数年にわたり採用ブランディングを強化し、

インターンシップに注力してきた結果と言えるだろう』と記されている。

 

美容業界でもコロナの影響を受け、一旦新卒採用を見送るサロンや採用人数を

減らす声が聞こえるが、とはいえ美容室にとっては人材こそが商品であるため、

採用活動は最重要課題のひとつであることは、この先も変わらないだろう。

 

美容専門学校は昔から「サロン見学」という形式で学生が各サロンを知る機会を

設けていたが、近年は大学と同じようにインターンシップの仕組みを取る

美容専門学校が増えているようである。

  

先の人気企業ランキングのなかにはこのような調査項目も記載されていた。

 

「インターンシップのプログラムで何を一番重視したいですか?」

1位 社内の雰囲気が分かる

2位 職業体験ができる

3位 会社の考え方がわかる

4位 採用に直結している

5位 学生同士の繋がりができる

6位 その他

7位 報酬がもらえる

 

(楽天株式会社「楽天みん就2022年卒 インターンシップ人気企業ランキング」
2020年4月8日~2020年7月31 調査 https://www.nikki.ne.jp/event/20200918

 

これはまさに美容学生が求める

サロンインターンシップで何を一番重視したいか」と同じような結果だと感じた。

 

やはりどの業界でも年代でも就職活動で気になるのは社内(サロン内)の

雰囲気であるし、雰囲気の良し悪しで志望するかを決めるものである。

 

ニトリの担当者の親しみやすい対応が人気の秘訣とあったが、

サロンインターンシップに置き換えると、各サロンの店長や関わるスタッフ全員が

「いかに感じ良いかが大切」と遠回しに成功の秘訣を伝えているように聞こえる。

 

とりわけ美容業界は、大学生のように個人が自由にインターン先を決定するのではなく、

美容専門学校が予めインターン先の候補を決めてしまうケースもある。

 

実際に私も美容専門学校の校長先生や就職担当の先生から、

「インターンシップ先の良いサロン、ありますか?」と聞かれることもある。

 

つまり突き詰めて考えると、その日の1人のスタッフの雰囲気が良いか悪いかによって、

学校から「今後も受け入れ依頼させて下さい」といわれる可能性もあれば

「今後はお断りさせていただきます」といわれる可能性もあるのだ。

 

採用活動の成功のカギを握る“美容専門学校とのパイプ”が折れてしまうのは非常に大きな問題だ。

 

このように考えると、やはりサロンインターンシップは社内全体で考え、

注力すべきだと思う。IT業界もゲーム業界もその他あらゆる業界にしても、

リードして各企業社内一丸となり、“学生の志向”に合わせたユニークなプログラムを提供している。

 

インスタグラムに力を注いでいるサロンであるならば「インスタ映えの撮影方法」を

学生に教えてもいいかもしれない。トータルビューティをウリにしているサロンで

あるならば「学生ウケするヘア、メイク、ネイルの仕方」を教えてあげてもいいかもしれない。

社内で話し合えばきっと良いプログラムが作れるだろう。

 

「インターンに行っても立っているだけでした。美容室には就職したくないです」

という学生の声を何度か聞いたことがある。悲しいが、事実である。

 

各サロンがインターンシップを真剣に考え、

「働くのが楽しみ!」と思う学生が増え、美容業界が更に盛り上がってほしいと思う。

 

 

 

©© CITYANDGUILDS ALL RIGHTS RESERVED.