シェアオフィス事業を運営する米We Workは赤字が続いており、顧客離れを
防ぐために賃料を大幅に引き下げているという。新型コロナウィルスの影響が大きい。
[FT]WeWork、値下げ攻勢で生き残り図る
(2020/10/15 14:30 日本経済新聞電子版)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65021570V11C20A0000000/
記事は米We Workの話であり日本とは多少なりとも状況は違うだろうが、とはいえ
We Work Japan(We Work とソフトバンクの合弁会社)も決して安心できる状況ではないだろう。
SNSを覗いてみると「We work解約しました」といった書き込みもちらほらみられる。
また、We Workのウェブサイトをみてみると、顧客獲得のために
トライアルキャンペーンなどの対策を講じているようだ。
都心のシェアオフィスやコワーキングスペースは、コロナ渦以前までは個人事業主や副業を
おこなうオフィスワーカーを中心に大変なにぎわいを見せていた。私自身も都内の
シェアオフィスへ見学に伺ったことがあるが、全てPASSカードが貸し出され、
入場までいくらか待った記憶がある。
実際、施設も増加の一途をたどっており、特に2018年から急増している。
【図1】東京都内コワーキングスペース開設面積と開設数の推移
(出典:CBRE「コワーキングオフィス-新たな働き方のプラットフォーム」)
コワーキングスペースの現状と展望 ~働き方改革とICTが拡大を後押しより
(InfoComニューズレター 2019年8月29日掲載InfoCom T&S World Trend Report /
https://www.icr.co.jp/newsletter/wtr365-20190829-washio.html
シェアオフィスやコワーキングスペースをレンタルするきっかけは多種多様だが、
主な理由は下記であるだろう。
・主収入を得るため
・副業を行うため
・趣味で作業するため
・人との繋がりや情報を得るため
・新しい環境でモチベーションを上げるため
では、何を決め手にシェアオフィスやコワーキングスペースを選ぶのだろう。
少し前だが、下記のアンケートを見ていただきたい。
現在のコワーキングスペースを選んだ理由
1、値段が安い
2、営業日・時間帯が合う
3、立地が良い
4、契約形態が選べる
5、無料サービスが充実
6、施設の設備が充実している
7、デザインが良い
8、同業種が多い
9、スタッフの対応の良さ
10、有料サービスが充実
https://www.servcorp.co.jp/blog/wp-content/uploads/2016/10/4b68809e6e924038ed987ab11fbaa54a.jpg
(2016.10.13 【ビジネスパーソン100人に聞いた!】今利用しているコワーキングスペースに満足してる? /ワークスペースで働き方をサポートする「サーブコープ」のビジネス情報サイト)
このようにオフィスワーカーのシェアオフィスやコワーキングスペース事情を
調べてみると、昨今のシェアサロン事情によく似ている。
オフィスワーカーと同じように美容師も働き方がどんどんと柔軟になり、選択権や
決定権がより個人にゆだねられるようになった。美容師兼ユーチューバーや、
独自のサービスを作り上げてフリーランスになり、売上をあげている人もいる。
私の友人は、ヘアメイクの仕事をしながら、空いた時間でシェアサロンを活用している。
シェアサロン選びは、少しでも手軽な料金で、自分の働き方に合った時間で利用できて、
自分にとってお客様にとって立地が良いところが良いだろう。
これはまさに上記アンケートのトップ3である。
シェアサロンのGO TODAYが成長しているのも納得できる。
2年で13店舗に拡大! GO TODAY快進撃の理由
2019.12.09 re-quest QJ navi DAILY
(https://www.qjnavi.jp/special/trend/gtss2y13s/)
私はシェアサロンに関しては賛成でも反対でもないが、美容師の働き方の選択肢が
より増え、柔軟になり、その結果として個人の可能性が広がるのは賛成である。
ただし、自分自身のキャリアや働き方についてはよく考え、自分が進む労働形態や
労働環境はよく調べることを勧める。シェアサロンはいわば個人経営である。
新規や既存客の獲得、サービス提供、リスク管理や対応、経理、各種契約、
その他業務を1人でおこなう。これがシェアサロンの醍醐味でもあり、大変さでもある。
選択や自由には必ず責任が伴う。
「これで良かった」となるのも「こんなはずではなかった」となるのも、その人次第。
人生の大半を占める労働を“トレンド”に流されず、主体性を持って歩んでほしい。
2020年10月26日